最高裁判所第一小法廷 昭和41(あ)2440 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人河原太郎の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇
五条の上告理由に当たらない。なお、職権によつて調査するに、原審の是認した第
一審判決が罪となるべき事実として認定したところによると、被告人の私文書偽造
の罪、同行使の罪と詐欺の罪とは、順次に手段結果の関係にあつて、刑法五四条一
項後段により一罪として処断すべき場合であるにかかわらず、第一審判決が私文書
偽造の罪と同行使の罪のみを牽連犯とし、これと詐欺罪とは刑法四五条前段の併合
罪に当たるとして刑を加重して処断したのは、法令の適用を誤つたものというべき
であるが、本件においては、これを看過した原判決を破棄しなくても著しく正義に
反するものとは認められない。
よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で主文のとお
り判決する。
検察官 大澤一郎公判出席
昭和四二年六月八日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 長 部 謹 吾
裁判官 松 田 二 郎
裁判官 岩 田 誠
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